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歯科医院の患者数が増える「治療計画」の説明方法
(2016年5月2日 7:09 AM更新)
患者さんが歯科医院を選ぶ時代
歯科診療所の数が増えすぎて競争が激しくなり経営不振に陥る歯科医院が現れている、とマスメディアでは定期的に取り上げられています。
地域によっては歯科医院の過密化は昭和の後期から始まっていたのですが、「過剰問題」として扱われるようになってからは「患者さんが歯科医院を選んで通院する」傾向に拍車がかかりました。
「患者さんがご自分の通いたい歯科医院を決めるのは当たり前ではないですか?」というご意見はもっともで、多くの職種では「顧客」が「購買先」を選別するのが普通です。
(患者さんを「顧客」に含めるのに抵抗を感じる先生は「サービス受給者」等に読み替えてください)
ただし、ある特定の商品・サービスを提供する企業や団体が一社あるいは数社しか存在しなかったら話は変わりますね?
戦後の高度成長期に起きた歯科大学の設立ラッシュ以前は、歩いて通える距離に歯科医院がない地域は珍しくありませんでした。
つまり、患者さんの側には歯科医院を選ぶ余地はほとんどなかったのです。
「歯科医院を開業すれば2,3年でビルが建つ」という今では冗談にもならないような事例も稀ではなく、院長が経営で悩む必要はまったくありませんでした。
患者数の増減が歯科医院の経営に大きな影響を与えることは開業されている先生であれば皆さんご理解されているはずですが、大学を卒業あるいは退職するまでは身に染みて感じる機会はほとんどありません。
大学の職員にとっては患者数が多かろうが少なかろうが関係ないというご意見もあるでしょうが、見逃されやすい要因として「歯科医院の過剰時代」であっても一定数の患者さんは歯科大学を通院先として選ばれるので患者数の減少が経営的な問題にまで発展することはほとんどないのです。
大学と個人の診療所を比較すること自体がナンセンスだと感じられるかも知れませんが、口腔外科での入院手術を除く保存・補綴・小手術等の治療内容は両者で決定的な違いがあるものでしょうか?
先生もご存知のとおり、歯科大学の付属病院で一般歯科診療を受ける場合、開業医で行えないレベルのものはほとんどなく治療の結果に最も影響を与えるのは担当する歯科医師の持つ知識と技量です。
もちろん、専門家のチームで行う必要のある外科手術や障碍者・非協力児童の歯科治療、非歯原性の疼痛の精査、医科との連携、滅菌・消毒体制の充実等、個人開業医では実現が難しい要素を歯科の大学病院が備えていることは歯学部を卒業した者にとっては常識です。
しかし、歯科の専門知識に乏しく、ご自身が治療を行った経験のない大多数の患者さんが「大学病院で治療を受けるメリット」を理解できている可能性は非常に低く、「大学だから安心」という抽象的な理由で一般歯科治療を受けている場合が多いようです。
まとめますと
・同業の先輩であるベテラン開業医は歯科医院が少なく公的保険で優遇されていた時代を長く過ごしたため「腕が良ければ患者さんは勝手に増えて経済的にも潤う」という現代の歯科医院の経営状況にそぐわない思い込みを持ち続けている
・最低でも学生時代の6年間、長ければ開業の直前まで過ごす大学病院は個人の診療所と比較して高い特殊性を持っているため患者数を増やすために努力する必要が少ない
このように、歯学部に入学してから卒業した後も周囲の人々は「歯科医院の患者数をいかに増やすか?」という経営に最も重要な命題に答えてはくれません。
偶然、知り合いや勤務先の院長が患者数を増やすことに熱心で具体的な方法を教えてもらう機会に恵まれない限り、「患者さんに選ばれる」ということを意識することもなく開業する危険性があるわけです。
「紹介」に結びつく言葉
先生のお知り合いの歯科医院の院長の中で、新規の患者さんが来院される理由の多くが既存の患者さんからの「紹介」だという方はいらっしゃいますか?
「紹介」で患者さんが増え続けるのは開業医にとって理想的な状態ですね。
広告費はまったくかからずに患者数が増えますので経営にとっては大きなプラスとなりますし、院長先生の技術・人柄・スタッフ教育等が患者さんに広く認められた証でもあります。
このように大きなメリットのある「紹介」を引き起こすために必須の要素があります。
先生の周りにいらっしゃる紹介患者さんが多い院長先生について共通する特徴はないでしょうか?
あるいは、先生ご自身がお知り合いに紹介したくなるお店やサービスでも良いかも知れません。
自分が体験したことを知り合いに「紹介」するためには、お店やサービスの「特徴を一言で言い表す」言葉が必要です。
紹介患者の多い院長先生についても、まったく面識のない第三者に特徴を説明するのに苦労することはないはずです。
その特徴は、
「語り口がユーモアたっぷりで患者さんとすぐに友達になる」
「専門知識のない患者さんに理解してもらえるように例え話を駆使して分かりやすく説明している」
「支台歯形成、歯肉のマネジメント、精密な印象まで妥協のない審美補綴にこだわり抜いている」
「誠実な人柄でボランティア活動に熱心なため地域の皆さんに信頼されている」
「子供が大好きなのでぐずっていても嫌な顔ひとつせずに手早く治療してもらえる」等々。
診療技術や人間性などの患者さんに求められる要素の中で、突出した長所をお持ちの院長先生が経営されているクリニックは患者数が少なくて困っていることはまずありません。
ただし、「患者さんが求める要素」であっても、以下のような院長先生ご自身の長所ではない利便性だけでは長い目で見て患者数を増やすことは難しくなります。
・診療時間が長い
・休日診療を行っている
・予約なしでもすぐに診察してもらえる
・待ち時間があっても退屈しないように雑誌、コミック等を充実させている
これらの利便性だけで歯科医院に訪れた患者さんは院長先生を頼って来院している訳ではないので、信頼関係を結ぶのが非常に困難です。
もっと便利で快適な診療所が見つかれば転院すればよいだけですので、院長先生の説明や指導に真剣に耳を傾ける必要はないからです。
「痛み」や「歯に空いた穴」を応急処置で解決できれば治療を中断される割合が高く予約のキャンセル率も高い傾向にあります。
そして、「予約しなくてもいつでも診察してくれる便利な歯科医院だから」という理由で紹介されてきた方も同様に、治療終了まで通い続ける可能性は低いはずです。
このように利便性をアピールすることで患者数を増やそうとするのは、ユニットと代診を含めたスタッフを十分に用意できる大型の診療所以外は選択すべき道ではありません。
このブログを読んでいただいている先生ならば、上記の利便性以外で「○○○だから、こちらの歯科医院に通い続けています」と患者さんから言っていただける機会は必ずあると思います。
先生ご自身が診療を続けてきて大切にされている考え・思いと重なる患者さんの言葉をぜひ探してみてください。
患者さんが話してくださったままの言葉を、別な患者さんに治療の説明を行う際に付け加えてみてください。(専門用語には変えずにです!)
松田歯科医院では予防のために定期的に通院していただいている患者数が多いので、
「むし歯が進んで大きくなる前に見つかってよかったわぁ。
先生に言われたとおりに通ったおかげで痛い思いをしなくて済みました!」
のようなお言葉を頂く機会が多く、わたし自身にとって最もテンションの上がる瞬間です(歯医者仲間からは珍しいと言われます)。
わたしの思いと一致する患者さんの言葉を、他の方への治療説明に使う際には
「むし歯が大きくなる前に見つけて早めに治療すれば楽なので、わたしは定期健診をお勧めしています」
「予防のために通院されている方は、痛い思いをしなくて済むので安心ですと仰いますね」
のように締めくくります。
このように患者さんが使われる言葉をお借りすることで他の患者さんの心にも響く説明となり、「予防を大切にしている歯科医院」として紹介をいただいています。
ぜひ、先生もご自分の大切にされている「○○○」を象徴する患者さんの言葉を見つけて治療計画を説明されてください。
院長先生がやりがいを感じられる治療を望まれる患者さんが増えていきますよ。
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